全固体電池の提携先や競合を調査する事業企画担当者にとって、各陣営の開発段階や量産計画が実際どこまで進んでいるのかを正確に把握することは重要です。
しかし、ニュースで報じられる将来の目標値と、現時点での達成済み実績が混同されやすく、一次資料に基づいた客観的な比較が難しいという課題があります。
この記事では、公開情報のみを使い、全固体電池における主要6陣営の開発段階を比較します。取り上げるのは、トヨタ・出光興産、ホンダ、日産の各陣営です。さらにサムスンSDI、ソリッド・パワー・BMW、クアンタムスケープ・パワーコを加えた6陣営となります。
材料供給、セル製造、車両評価の役割分担まで見ると、同じ「量産目標」でも陣営ごとに次の検証課題が違うことが見えてきます。
最後まで読むことで、各社が掲げる量産目標時期や仕様と、パイロットライン稼働などの実績を明確に区別できるようになります。
また、今後新たな発表があった際に、読者自身が一次資料を用いて比較表を更新し、事業判断に必要な検証項目を正確に抽出するための手順が身につきます。
公開情報で全固体電池プレイヤーを比べる基準

全固体電池の事業計画や提携先を評価するためには、各企業が発信する一次資料を共通の基準で読み解く必要があります。
本記事では、公式のニュースリリースやIR資料をもとに、開発段階や量産計画を比較していきます。
この記事で対象とするのは、先述した6陣営です。ここで用いる主要という言葉は、現在の市場シェアの大きさや企業価値の順位を意味するものではありません。
自動車メーカー、電池メーカー、材料メーカー、技術開発会社といった異なる業種をまたいでいます。公式資料から開発の過程と役割分担を追うことができる代表的な事例として選定したものです。
全固体電池の実用化に向けたアプローチは陣営ごとに異なり、担う役割も多岐にわたります。そのため、単一の指標で進捗の優劣や順位をつけることは実態と乖離します。
本記事では、開発段階を6つに分類して比較します。前半は研究、材料試作、セル試作です。後半はパイロットライン、車載実証、商用量産です。
材料メーカーによる生産設備の検証や、自動車メーカーの自社パイロットラインにおけるセル製造工程の検証などが挙げられます。また、実際の試験車両を用いた評価なども存在します。
一つの発表に書かれた到達点がこの6段階のどこに当てはまるかを区別します。これにより、各陣営の現在地を正確に把握することができます。
また、各陣営の開発状況を読み解く上で最も重要なルールがあります。それは、会社が掲げる将来の目標と、現時点で確認できる実績を明確に切り離して記録することです。
企業は事業のロードマップとして、エネルギー密度の向上や充電時間の短縮、あるいは数年先の量産開始時期を発表することが多いです。
しかし、量産の目標時期や期待される性能スペックが公表されていても、実際の生産能力や歩留まりが公式資料で確認できない場合があります。また、市販車への採用実績が確認できない限り、それを量産済みあるいは達成済みとは記載しません。
ニュースリリースの中で自社のパイロットラインを公開したという事実は、あくまで検証設備の建設実績であり、商用量産工場の稼働と同義ではありません。
同様に、試験車両への搭載を発表したとしても、それは車載実証の段階に入ったという実績です。一般顧客に向けた量産車の販売開始とは異なります。
このように、公開情報に記載された客観的な事実と、企業が目指している将来の期待値を厳密に分けて整理します。これが、業界の動向を正しく比較する第一歩となります。
トヨタ・出光興産|硫化物系材料と2027〜2028年目標

トヨタは2023年6月に実施した技術説明会において、全固体電池をバッテリー式電気自動車へと実用化する時期の目標を発表しました。その目標は2027〜2028年としています。
この技術説明のなかで、同社はバッテリーの急速充電時間を10分以下とする目標値を提示しています。これは、充電残量10パーセントから80パーセントまでの時間です。
また、当時開発中であった次世代の液体リチウムイオン角形電池や車両効率と比較して、航続距離を20パーセント向上させるという期待値も示されました。
ここで注意すべき点は、急速充電の時間や航続距離の向上幅が、研究開発の過程で設定された会社としての目標値であることです。市販車に搭載された全固体電池によってすでに市場で達成済みの実績データではありません。
各陣営を正確に比較するには、将来の期待値と現在の到達点を区別して読み解く必要があります。トヨタの公式発表はトヨタの電池技術資料とトヨタ技術説明会の概要で確認できます。
この目標に向けた具体的な取り組みの基盤として、トヨタと出光興産は2023年10月に協業体制を発表しました。両社が対象として取り組んでいるのは、全固体電池の主要な材料である硫化物系固体電解質です。
この発表で示された協業分担では、材料の量産技術の開発や生産性の向上が明記されています。そして将来の車両製造を支えるサプライチェーンの構築を共同で進めることも含まれます。
自動車メーカーであるトヨタと、材料技術を持つ出光興産がそれぞれの専門領域を持ち寄っています。これにより、研究室レベルの成果を工場での安定的な生産へと引き上げるためのプロセスを共有していることがわかります(トヨタと出光興産の協業発表)。
公式発表の資料に記載されたロードマップを読み解くと、この両社の取り組みは、2027〜2028年の実用化を第一の目標地点としています。そして、その後の段階として本格的な量産体制へ移行するという計画に基づいています。
したがって、現在の開発段階を他社との比較表に記録する場合、この陣営は硫化物系固体電解質の材料量産技術を共同開発している段階にあると定義するのが適切です。
今後の進捗を確認するにあたっては、この協業によって材料コストや製造工程の課題がどのように解決されるかに注目します。また、いつの時点で実車への搭載評価へと進むのかという点も重要になります。
材料の共同開発というアプローチを公開情報から追うことで、実用化目標に向けた現在の確実な立ち位置を把握することができます。
ホンダ・日産|自社パイロットラインで量産工程を検証

ホンダと日産は、それぞれ自社内に全固体電池の試験的な生産設備を設けました。これにより、セルの設計だけでなく実際の量産工程を検証する段階に進んでいます。
両社の共通点は、将来の市場投入目標に向けて、製造プロセスを自社設備で確認しようとしている点にあります。
ホンダは2024年11月、栃木県さくら市に全固体電池のデモンストレーション生産ラインを公開しました。公式発表によると建屋の延床面積は約27,400平方メートルに及び、総投資額は約430億円です。
同社はこのラインで2025年1月から電池の生産を開始する予定であることを示しました。この設備は、ロールプレスを含む量産工程の技術的な妥当性を検証するためのものです。また、コストや材料仕様の検証も行います。
ホンダはこれらの検証作業を通じて、2020年代後半に投入する電動車へ全固体電池を適用する目標を掲げています。
現時点では、デモンストレーションラインの完成と稼働予定の発表が確認できた事実です。市販車への搭載や商用量産は今後の目標として記録します。
ホンダのデモライン日本語発表や英語発表、および全固体電池技術の解説からこの開発段階が確認できます。
一方、日産は2024年4月、神奈川県にある横浜工場内で建設中の全固体電池パイロットラインをメディア向けに公開しました。
同社は、2028年度までに全固体電池を搭載したEVを市場投入するというスケジュールを目標として公表しています。
日産の発表資料では、エネルギー密度、充電時間、コストの改善可能性について説明されています。しかし、これらは技術開発における期待値であり、量産車による達成値として読み替えるべきではありません。
日産のパイロットライン公開に関する発表からも、現在の段階はあくまで製造ラインの構築と検証のプロセスにあることがわかります。
ホンダと日産の公式発表を比較すると、設備の建設状況や目標とする市場投入時期がそれぞれ明記されています。
ホンダの面積約27,400平方メートルの設備や約430億円という投資額は物理的な投資の実績です。また日産の横浜工場におけるパイロットライン構築も、検証のための投資が実行されたことを示す実績です。
両社が実用化に至るまでには、試験製造された電池を使った車載実証などの段階をさらに経る必要があります。また、実際の量産工場での歩留まり確認も必要になります。
公開情報から比較表を作成する際は、設備が公開されたという事実と将来の投入目標を明確に区別することが重要です。
サムスンSDI・ソリッド・パワー・BMW|セル・電解質・車両評価を分担

サムスンSDIは、自社開発の全固体電池についてパイロットラインを稼働させています。
同社はサムスンSDIのInterBattery 2024発表において、2027年の全固体電池の量産開始というロードマップを公表しました。
この発表内でエネルギー密度900Wh/Lという数値を掲げていますが、これはあくまで会社として設定している量産製品の目標仕様です。量産製品を用いた第三者機関による試験値や、実際の出荷実績を意味するものではない点に注意が必要です。
この目標値と量産スケジュールはサムスンSDIのDIFA 2024発表でも繰り返し説明されています。これらは、同社の事業計画における重要なマイルストーンとして位置づけられています。
一方、より実用的な車載実証の段階へと進んでいることが公開情報から確認できるのが、ソリッド・パワーとBMWの取り組みです。
両社は2025年5月、ソリッド・パワーが開発した大判の全固体電池セルを、BMW i7の試験車両に搭載して評価を行うと発表しました。これは実際の自動車を用いた車載実証であり、開発の進展を示す具体的な事例です。
ただし、この発表資料BMWグループとソリッド・パワーによるBMW i7での試験には、今後の追加開発の必要性が明確に記載されています。
試験車両への搭載は市販車への採用完了を意味するものではありません。セル膨張の管理や適切な作動圧力の維持など、量産化に向けた技術的課題を実車環境で評価するためのステップです。また、様々な温度条件での性能も評価の対象となります。
さらに、これらの企業は個別の開発にとどまらず、各社の強みを持ち寄る協力関係へと移行しています。2025年10月には、ソリッド・パワー、サムスンSDI、BMWの三社が全固体電池の技術を推進するためのパートナーシップを発表しました。
この協業では役割分担が明確にされています。ソリッド・パワー、サムスンSDI、BMWの協業発表によれば、ソリッド・パワーが自社の強みである硫化物系固体電解質を供給します。
そして、サムスンSDIがその電解質を用いて全固体電池セルを製造します。また、BMWが自動車メーカーの立場からモジュールおよびパックの技術要件を支援し、最終的な車両評価を担うという枠組みです。
この三社協業の目的は、事前に定めた技術要件を満たすことを条件としてデモ車両を開発することにあります。したがって、現時点で協業による完成済みの成果物があるわけではありません。
この枠組みに沿って、各社は自社の分担領域における量産能力の確立を進めています。
例えばソリッド・パワーは、ソリッド・パワーの2025年度通期決算において、連続式での電解質パイロットラインを2026年末までに立ち上げる見込みを示しました。
この陣営は一社で素材から車両搭載までを完結させるのではありません。材料開発会社、電池メーカー、自動車メーカーがそれぞれの専門領域を切り分けて実証を進める体制をとっています。
実績としてのBMW i7試験車への搭載と、会社目標としての900Wh/Lや2027年量産計画を分けて記録します。これにより、実用化に向けた開発が現在どの段階にあるのかを正確に比較検討できます。
クアンタムスケープ・パワーコ|ライセンス型で量産能力を目指す

全固体電池の開発では、自社の設備による製造だけでなく、技術のライセンス供与によって量産能力の確保を目指す陣営も存在します。
クアンタムスケープとフォルクスワーゲン・グループのパワーコによる協業体制は、このライセンス型モデルの代表例です。各陣営がどのような役割分担で商用化の課題を解こうとしているかの把握は、開発段階を正確に比較するために重要です。
クアンタムスケープとパワーコは2024年7月、クアンタムスケープの技術を使う非独占ライセンス契約を発表しました。
この取り組みは、自社で全工程を抱え込まず、ライセンスによってパートナーであるパワーコ側の生産能力を拡大する設計となっている点が大きな特徴です。
この非独占ライセンス契約の公式資料には、将来の製造能力を示す具体的な上限枠があります。具体的には、技術進展やロイヤルティーなどを条件として、パワーコが年40GWhの全固体電池を製造できる枠組みが示されました。
さらに、この契約には追加の選択枠も設けられています。条件を満たした場合には年80GWhまで製造能力を拡張できる内容が含まれています。
年40GWhと追加選択枠の年80GWhは、契約で定めた将来の製造能力の上限です。比較表では「契約上限」と記録します。
この生産能力の実現は、技術進展といった要件の達成を前提とした条件付きの枠組みです。全固体電池の開発段階を分類する際には、商用量産の実績ではなく、将来の目標値として明確に区別して記録しなければなりません。
次に見るべき情報は、ライセンス先の設備建設、稼働開始、実際の出荷量です。
役割を明確に分けて量産化を目指すクアンタムスケープ陣営の進捗を正しく測るためには、現時点では契約上の能力が示された段階であると定義することが適切です。
今後はこの計画が実際の商用量産設備の建設や稼働といった次の段階へ移行するのかを、新たな資料を通じて継続的に確認していくことになります。
AI(ChatGPT)で新しい発表を更新候補へ絞る

前節までに整理したように、全固体電池の各陣営は量産に向けた計画や提携をそれぞれの枠組みで進めています。
事業企画担当者が、どの陣営を提携候補として追加調査するかを決めるには、こうした公開情報を定点観測し、最新の進捗を正確に比較し続ける必要があります。
ここでは、手作業によるウェブ巡回の負担を減らし、次節で解説する一行一発表台帳へ渡す更新候補をChatGPTを用いて効率的に集める手順を説明します。
まず調査の前提として、パイロットライン公開や車載試験は開発段階の進展を示すものの、それ自体は商用量産開始の証拠ではないという仮説を置きます。
この分析において必要な証拠は、各社公式発表の発表日、主体、材料、設備などです。さらに、確認済み成果、将来目標、条件、原文URLも対象となります。
そして、企業の公式資料が一般顧客向け車両への採用や商用出荷を実績として明記している場合は、この事前仮説を退けて判断を変えることとします。稼働中の量産能力が明記されている場合も同様です。
準備として、手元にある既存の比較台帳をCSV形式で保存します。表には、発表日、企業、協業先の列を含めてください。材料と設備の列も必要です。加えて、確認済み成果、将来目標、目標年の列を設けます。数値区分、原文URL、取得日の列も必要です。
このとき、入力するのは公開情報のみとし、自社の機密情報や個人情報、認証情報は決してアップロードしない運用を徹底します。
企業向けのプランでは入力や出力が既定でモデルの訓練に使われない仕様となっていますが、利用前には必ず組織のデータ取扱規程と利用権限を確認してください。
次に、ChatGPTの画面で複数段階の調査や複数資料の統合に向くDeep Researchを選択し、保存したCSVファイルを添付します。
検索対象を各社の公式ドメインに限定し、既存行より新しい発表だけを候補化するため、以下の依頼文を入力して実行します。
添付した全固体電池の発表台帳を更新します。公式企業サイトだけを調べ、既存行より新しい発表を候補として示してください。各候補は発表日、企業、協業先、材料、設備、確認済み成果、将来目標、目標年、数値区分、原文URL、根拠となる原文の短い要約を含めてください。パイロットライン、車載実証、商用量産を区別し、目標年が到来しただけで実績へ変更しないでください。既存記録と矛盾する発表、公式資料で確認できない項目、次に人が確認すべき資料を分けてください。
この機能は公開ウェブやアップロードファイルを情報源に指定して調査を実行できるため、担当者が各社のサイトを一つずつ探し回る手作業に比べ、更新の兆候を捉える労力を減らせます。
実行が終わると、引用付きの調査レポートと台帳へ追加する候補行が出力されます。既存行との矛盾一覧、未確認項目、追加調査の優先順位も出力されます。
ただし、AIはあくまで新しい発表の候補抽出と矛盾の整理までを担うツールです。AIが誤った事実や出典を示す可能性もあるため、事実の確定と最終的な事業判断は人が行わなければなりません。
担当者は、AIが提示した引用リンクから公式発表の原文を開き、数値、条件、時点が正確であるかを直接照合します。
こうして人が検証を終え、正しいと確認できた候補だけを、次節で解説する一行一発表台帳へ追加していきます。
計画・試作・車載実証・量産を同じ表へまとめる
全固体電池のプレイヤーが発信する情報を整理し、事業企画担当者が自社で比較表を継続的に更新していくためには、明確なルールが必要です。
発表の派手な文言に引きずられず、各社の現在地を正確に比較するための手順を解説します。
まず、比較表を作る際は、一つの公式発表につき一行を追加する一行一発表の原則を守ります。発表日、企業名、協業先、材料の種類、確認できた設備などを横一列に記録します。確認済み成果、将来の目標値、目標年、原文URL、情報取得日も同様です。
ここで重要なのは、抽出した数値に必ず区分を設けることです。表の項目名や数値の横に、実績、計画、上限、会社目標のいずれに該当するかを明記します。
たとえば、クアンタムスケープとパワーコのライセンス契約にある年40GWhという数字は、将来に向けた契約上の上限枠です。現時点での工場の出荷実績へ変換して記録してはいけません。
次に、各陣営の開発フェーズを統一された基準で評価するため、進捗状況を6段階に固定して分類します。研究、材料試作、セル試作が最初の3段階です。パイロットライン、車載実証、商用量産が残りの3段階です。
企業の一つの発表のなかに、現在の試作状況と将来の量産目標が混在していることは珍しくありません。その場合でも、達成済みのフェーズとして記録するのは、発表本文に明記された現在の到達点のみに絞ります。
ホンダや日産のようにパイロットラインを公開したという実績は、商用量産を開始したこととは同義ではありません。
同様に、ソリッド・パワーとBMWが試験車両へ搭載してテストを行った事実も、市販車として顧客へ販売したこととは異なります。このように段階を明確に分けることで、単なる期待値と実際の成果を区別できます。
最後に、目標年が近づいた際の原文照合と表の更新手順について触れます。企業が掲げていた量産や市場投入の目標年が到来したからといって、過去の資料に記載された目標を自動的に実績へと昇格させてはいけません。
必ずその企業の最新のIR資料、ニュースリリース、技術説明会などの一次資料にアクセスし、原文との照合を行います。
目標年を迎えたら、新しい発表に記載された設備の稼働状況や出荷実績を確認し、更新日とともに記録します。続報が見つからない案件は「商用量産の発表未確認」として次回の調査対象に残します。
よくある質問
全固体電池はすでに市販車向けに量産済みですか?
2026年9月22日時点で今回確認した6陣営の公式資料では、全固体電池を電気自動車向けに商用量産し、一般向けに販売を開始した事実は確認できません。
各社が発表しているのは、パイロットラインの稼働や試験車両への搭載実証、あるいは将来に向けた生産枠組みの契約といった段階です。
企業が量産時期を発表していても、それはあくまで会社目標です。実際の生産能力や歩留まり、採用車種が実績として確認できるまでは量産済みとして扱いません。
全固体電池の開発で最も進んでいる企業はどこですか?
公開情報だけで開発が最も進む企業を特定したり、順位付けしたりすることはできません。材料会社は生産能力、電池会社はセル量産、自動車会社は実車評価と、担う役割や協業体制が陣営によって異なるためです。
また、歩留まり、耐久性、材料コストといった量産に必要な指標の多くは非公表です。
開発の進み具合を比較する際は、単一の順位に並べるのではなく、研究から商用量産までのどの検証段階にあるかを確認する必要があります。
比較対象に選ばれた「主要」陣営とはどういう意味ですか?
この記事における「主要」とは、全固体電池市場におけるシェアの大きさや技術的な優位性の順位を意味するものではありません。
自動車メーカー、電池メーカー、材料メーカー、技術開発会社といった異なる立ち位置の中で、代表的な事例として選出しています。公式な一次資料から開発段階や量産計画を継続的に追うことができるためです。
そのため、ここに取り上げていない企業であっても、独自の技術開発や量産化に向けた取り組みを進めている場合があります。
最新の開発状況に合わせて比較表を更新する方法を教えてください。
比較表を更新する際は、各企業の新しいIR資料やニュースリリースを一次資料として確認します。情報を記録する際は一行につき一つの発表とします。
発表日や協業先とともに、その内容が会社目標なのか達成済みの実績なのかを明確に区別して記載します。過去資料の目標年が近づいたからといって自動的に実績へ昇格させないようにします。
公式資料で商用量産が確認できない場合は、未達と断定せずに「今回は商用量産を確認できない」と事実のみを記録してください。
調査手法について
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