画像制作において、完成した画像の一部だけを修正することは容易ではありません。「商品の形や文字はそのままに、背景の季節感だけを変えたい」といった要望に対して、AIで再生成すると意図しない箇所まで変わってしまうという課題がありました。OpenAIが2026年9月8日に発表したChatGPT Images 2.5は、こうした制作現場の悩みに応えるアップデートを含んでいます。自然な光や豊かな質感を表現できるだけでなく、参照する写真の被写体保持や特定の箇所だけを直す局所編集、複雑なレイアウト、透明背景の生成などが改善されています。
この新しい画像生成AIは、ChatGPTやChatGPT WorkなどではImages 2.5として組み込まれていますが、開発者向けのAPIではFlareとSunburstという2つのモデルを利用者が直接選んで指定する仕組みになっています。公式のプロンプトガイドによれば、Flareは速度を優先するsmallモデルであり、Sunburstは品質を優先するbaseモデルとして位置づけられています。両方とも精密な編集と被写体保持が改善されていますが、プロジェクトの進行状況や求める品質水準によって使い分けることが想定されています。
いざ商品画像やSNS広告の制作へ導入しようとすると、どちらのモデルから試し、どのように指示を出せばよいのか迷うかもしれません。例えば、多様なレイアウト案を素早く出力して全体の方向性を決める初期段階と、パッケージの文字や質感を維持しながら周囲の小道具だけを差し替える緻密な編集段階では、モデルに求める要件が異なります。また、APIを通じてAIへ的確に意図を伝えるためには、単に要望を書き連ねるのではなく、用途や制約を整理したプロンプトの書き方を身につける必要があります。
この記事では、公開されている仕様と公式ガイドに沿って、GPT-Image-2.5の全体像とモデルの選び方を解説します。あわせて、単発の生成と局所編集を行った今回の一回の実測結果や、第三者の実装事例を交えながら、実践的な利用手順を紹介します。最後までお読みいただくことで、通常の生成ではFlare、保持精度が厳しい編集ではSunburstといった評価基準を持ち、公式の手順に沿ったプロンプトとAPIリクエストを構築できるようになることを目指します。
GPT-Image-2.5とは何か

OpenAIが2026年9月8日に発表したGPT-Image-2.5は、画像生成と編集の精度を改善した新しいモデルです。自然な光の表現や豊かな質感の描写といった基本的な画質の底上げに加え、参照した写真の被写体を保持する能力、画像の一部だけを修正する局所編集、指示を重ねる複数回の編集、複雑なレイアウトの再現、そして透明背景の出力といった点が改善されています。
たとえば商品画像を制作する際、まずは商品を魅力的な構図で生成し、次にその商品の形状や質感を崩さずに背景だけを別のシチュエーションへ変更し、最後に指定したキャッチコピーの文字を正確に配置するといった一連の作業において、以前のモデルよりも意図に沿った結果を得やすくなっています。
提供形態としては、利用する環境によって見え方が異なります。ChatGPTやChatGPT Work、Codex上では、すべて包括してImages 2.5という名称で提供されます。一方、開発者や制作者が独自のツールに組み込むためにAPIを経由して利用する場合は、目的に応じてFlareとSunburstという2つのモデルIDを直接指定する仕組みになっています。
公式プロンプトガイドによると、Flareは生成速度を優先したsmallモデルとして、Sunburstは品質を優先したbaseモデルとして位置づけられています。どちらも精密な編集機能や被写体の保持力は備えていますが、用途による明確な使い分けが想定されています。
利用者がシステムを構築する際に公開されている仕組みとしては、単発で画像を生成したり編集したりするImage APIと、会話の中でツールとして呼び出して前回の結果を引き継ぎながら複数ターンの編集を行うResponses APIが用意されています。これらを使い分けることで、単一の画像出力から対話的な編集操作まで構築可能です。なお、FlareとSunburstのパラメータ数やネットワーク構成、学習の手法といった内部アーキテクチャは公開されていません。そのため、非公開の内部構造を推測するのではなく、公開されている製品区分としてのsmallとbaseという役割に基づき、実際の処理経路と出力結果を評価してモデルを選択することになります。
FlareとSunburstの特徴と選び方

画像生成や編集の仕組みを構築するにあたり、まずは目的によってFlareとSunburstのどちらを選ぶべきか、製品としての位置づけと選び方の手順を整理します。
公式仕様によると、Flareは生成速度を重視したsmallモデルであり、高速な日常の画像生成に向いています。APIを利用する際の品質設定としてlowからmax、およびautoに対応しています。一方、Sunburstは品質を優先したbaseモデルとして位置づけられており、生成と編集のいずれにおいても最も高性能とされ、編集精度を優先する用途に向いています。
この特性から、用途に応じた使い分けが可能です。たとえば、SNS向けの広告画像で複数のラフ案を短時間で生成し、人間が方向性を確認して選別するような多案出しの場面ではFlareが適しています。対照的に、特定の商品画像を読み込ませ、商品の形状や配置した宣伝文字を保持したまま背景だけを別のシチュエーションへ仕上げるような緻密な編集にはSunburstが向いています。
料金の計算方法については、公式ガイドによると両モデルのトークン単価は同じです。しかし、APIリクエストで同じ設定を指定した場合でも、モデルによって消費するトークン数が同じになるとは限りません。単価が同じであっても1回の生成にかかる費用が同額になるとは限らないため、受理した画像1枚当たりの正確な実費はAPIレスポンスに含まれるusageの数値を見て測る必要があります。
では、最初にどちらを選び、どの条件でモデルを切り替えるべきでしょうか。公式のプロンプトガイドは、検証を効率的に進めるための手順を示しています。もし既存のGPT-Image-2で品質要件を満たしているタスクであれば、まずはFlareから試します。逆に、複雑な要件がありGPT-Image-2では品質が不足していると分かっている場合はSunburstから試します。Sunburstの出力を見て品質が合格ラインに達した後に、まったく同じ入力と設定でFlareの出力を比較し、必要な品質を保ちながら待ち時間を短縮できると確認できた場合のみ、本番環境の指定をFlareへ切り替えるという手順が推奨されています。
| 比較項目 | Flare | Sunburst |
|---|---|---|
| モデルの位置づけ | small | base |
| 優先事項 | 速度 | 品質と制御 |
| 適した用途の例 | SNS用ラフ案の短時間生成 | 商品と文字を保持する背景編集 |
| トークン単価 | Sunburstと同額 | Flareと同額 |
| 画像1枚の消費トークン | レスポンスのusageで確認 | レスポンスのusageで確認 |
ChatGPTとAPIでGPT-Image-2.5を使う方法

モデルの特徴を把握したところで、実際にGPT-Image-2.5をどこから、どう使うのかという具体的な利用経路を解説します。
WebブラウザからもGPT-Image-2.5を利用できます。OpenAIは、Images 2.5をChatGPTの全プラン、ChatGPT Work、Codexへ提供し、デスクトップ、モバイル、Webに展開したと説明しています。ChatGPTでは、会話で画像生成を依頼するか、メニューの「画像」からプロンプトを入力します。既存画像をアップロードして変更内容を伝える編集も可能です。ChatGPTでの生成・編集手順には、範囲選択、アスペクト比の変更、テンプレートの利用方法も掲載されています。
一方、FlareとSunburstはAPIで公開されているモデル名です。OpenAIの公開資料には、ChatGPTの画面上でFlareまたはSunburstを名前で選ぶ手順は記載されていません。したがって、Images 2.5そのものはWeb版ChatGPTで使えますが、FlareとSunburstを明示的に指定して比較したい場合や、自社のシステムへ組み込みたい場合はAPIを利用します。APIの利用分はChatGPTの月額プランとは別に課金されます。
APIを利用する場合、目的に応じて2つのエンドポイントを使い分けます。商品画像をキャンペーン用に一括生成するといった単発の生成や編集にはImage APIを使用し、リクエスト内でモデルIDを直接指定します。一方、生成したUI案を見ながら「ボタンの配置を右に変えて」と会話形式で追加の指示を出して微調整を繰り返すような編集にはResponses APIを使用します。Responses APIでは会話を管理する上位モデルを選んだうえで、image_generationツールのmodelパラメータとしてFlareまたはSunburstを指定します。どちらのAPIでも、任意解像度、出力品質、画像形式、透明背景の有無などを設定できます。
ここではPythonを用いて、Image APIでFlareの画像を単発生成し、画像を保存する最小実行例を紹介します。APIキーはコードに直書きせず、環境変数から読み込んで管理します。Image APIは画像をbase64形式のデータで返すため、受け取った文字列をデコードして画像ファイルとして保存できます。
import os
import base64
from openai import OpenAI
# 環境変数からAPIキーを取得してクライアントを初期化
client = OpenAI(api_key=os.environ.get("OPENAI_API_KEY"))
# Image APIを利用してFlareで画像を生成
response = client.images.generate(
model="gpt-image-2.5-flare",
prompt="テーブルに置かれたコーヒーカップ。背景には朝の光が差し込んでいる。",
n=1,
size="1024x1024",
quality="medium",
output_format="png"
)
# レスポンスからbase64文字列を取得し、画像ファイルとして保存
image_b64 = response.data[0].b64_json
with open("coffee_cup.png", "wb") as f:
f.write(base64.b64decode(image_b64))
print("画像を保存しました。")
このコードを実行して単発の画像を生成したのち、さらに細かな修正が必要になることがあります。会話形式の編集UIを構築する場合は、Responses APIのコンテキストへ画像を渡し、image_generationツールでSunburstを指定して、「カップの形状を維持したまま、背景を透明にして」といった追加指示を送ります。
FlareとSunburstを同条件で生成・編集してみた

APIを通じた利用手順を把握したところで、実際に同条件で生成や編集を行い、新モデルが旧GPT-Image-2と比べて実務上どこが変わったのかを比較します。
同条件の新規生成による速度と構図の比較
OpenAIはFlareをGPT-Image-2より50%低遅延と説明していますが、公開ページに具体的な測定条件は記載されていません。そこで解像度を1024×1024、画質をmedium、出力形式をPNGとする条件を設定し、各モデル1回ずつの単発生成を試みました。生成時間はAPIの混雑状況や通信環境の影響を受けるため、ここでは1回の測定結果として扱います。
生成にかかった時間は、GPT-Image-2が57.8秒、Flareが13.642942秒、Sunburstが19.170224秒でした。出力された画像を比較すると、3モデルとも指定した文字指示を反映していました。しかし、GPT-Image-2はマネキンの脚まで画面に入り、ジャケットが中央55%を占めるという構図指定から最も外れた結果になりました。一方でFlareとSunburstは、構図指定に従いジャケットをより大きく配置しました。比較画像は左からGPT-Image-2、Flare、Sunburstの並びです。

既存画像の一部を書き換える局所編集の比較
次に、Flareで生成した同一の画像を共通の入力データとして用い、一部の要素だけを書き換える局所編集を比較しました。
最初は、壁の文字であるAUTUMN 2026だけをWINTER 2027へ変更し、胸のNORTHLINEなどの他の要素を保持するよう指示しました。処理時間はGPT-Image-2が57.0秒、Flareが12.5秒、Sunburstが17.0秒でした。結果として3モデルとも変更と保持に成功しており、この1回の試行では精度の明確な順位を付けることはできませんでした。こちらの比較画像も左からGPT-Image-2、Flare、Sunburstの順です。

続いて、背景だけを雪山へ変更し、紺色のジャケットやマネキン、文字要素などを保持する指示を出しました。この場合の時間はGPT-Image-2が58.5秒、Flareが14.6秒、Sunburstが21.3秒でした。この検証でも3モデルとも変更と保持に成功し、精度の明確な順位は付きませんでした。比較画像の配置はこれまでと同じく左からGPT-Image-2、Flare、Sunburstです。

3回の連続編集による保持精度の比較
さらに実務での反復作業を想定し、胸ラベルをRIDGELINEへ変更し、次にジャケットを深緑へ変更し、最後に背景を雪山へ変更するという3ステップの連続編集を行いました。
すべての工程を終えるまでの合計時間は、GPT-Image-2が166.9秒、Flareが56.6秒、Sunburstが58.2秒でした。最終的に出力された画像を確認すると、3モデルともRIDGELINEの文字、深緑のジャケット、AUTUMN 2026の文字、雪山の背景をすべて維持していました。どのモデルにも明確な画像の破綻はなく、今回の1回の試行だけではSunburstの保持精度が他より優れていると実証することはできませんでした。比較画像の並びは左からGPT-Image-2、Flare、Sunburstです。

透明背景の実測と結論
最後に、公式APIガイドはFlareとSunburstの両方でbackgroundをtransparent、output_formatをPNGまたはWebPにできると説明しているため、背景を透明にする機能を試しました。旧モデルのGPT-Image-2については、今回使用した検証経路が透明指定を未対応として送信前に拒否したため出力を得られませんでした。
新モデルでの処理時間は、Flareが13.6秒、Sunburstが22.2秒でした。出力された画像ファイルの四隅を確認したところ両モデルともアルファ値が0になっており、被写体の輪郭にも大きな欠損がないことを確認できました。この比較画像は左がFlare、右がSunburstです。

一連の実測で確認できた速度と目視結果は以下の表の通りです。
| 検証項目 | GPT-Image-2 | Flare | Sunburst |
|---|---|---|---|
| 新規生成 | 57.8秒(構図指定から外れた) | 13.642942秒(構図指定に従う) | 19.170224秒(構図指定に従う) |
| 文字だけ変更 | 57.0秒(変更と保持に成功) | 12.5秒(変更と保持に成功) | 17.0秒(変更と保持に成功) |
| 背景だけ変更 | 58.5秒(変更と保持に成功) | 14.6秒(変更と保持に成功) | 21.3秒(変更と保持に成功) |
| 3回連続編集 | 166.9秒(破綻なし) | 56.6秒(破綻なし) | 58.2秒(破綻なし) |
| 透明背景 | 出力を得られず | 13.6秒(大きな輪郭欠損なし) | 22.2秒(大きな輪郭欠損なし) |
今回の実測を通して、旧モデルと新モデルの間で最も明確だった違いは処理の速度でした。一方で単発の編集や連続した編集においては旧モデルも強い保持能力を示しており、今回の1回の試行だけでSunburstの精度が優位であると断定することはできません。公式APIガイドはテキスト、整合性、構図制御に限界が残ると説明している通り、どのモデルを使用する場合でも意図した通りの画像を得るためには適切な指示が不可欠です。モデルの特性を把握したところで、次は公式ガイドに学ぶプロンプトの書き方について詳しく見ていきましょう。
公式ガイドに学ぶプロンプトの書き方

ここまでの実測でモデル間の違いを確認したところで、狙った箇所だけを的確に変えたり、意図した通りの画像を生成したりするためのプロンプトの書き方を整理します。公式のプロンプトガイドには、コーヒーマシンの工程図、4コマ漫画、UIモックアップ、文字入り広告の生成から、人物の服だけを変える編集、レイアウトを保った翻訳、複数画像の合成、商品切り抜き、スケッチの実写化、不要物削除、絵本キャラクターの継続利用まで、多様な用途の事例が紹介されています。これらを実務で再現し、結果を確認しやすくするための設計原則を見ていきます。
新規の画像生成においては、特殊な構文に頼るのではなく、人間が読んで保守しやすい短文やラベル付きの箇条書きを用いることが推奨されています。具体的には、用途、主題、構図、画角、素材、光、文字、制約を具体化するように指示を組み立てます。さらに画像内にテキストを含める場合は、正確な文字を引用符で囲み、出現回数、位置、書体、追加文字禁止を指定します。公式例では、広告のキャッチコピーを正確に1回だけ表示し、余計な文字、透かし、無関係なロゴを入れないよう指示しています。
商品広告のバナー素材を作る場面を想定し、この原則に従って要素を分解した生成用および正確な文字指定のテンプレート例を以下に示します。
【用途】夏の新作レモン飲料のSNS広告バナー背景
【主題】水滴がついた冷たいレモン飲料のガラス瓶
【構図・画角】瓶を中央に配置したあおり構図
【素材・光】青空と海を背景に、明るい夏の自然光を当てる
【文字】
- "SUMMER"という単語を1回だけ瓶の上部に配置する
- 書体は太字のサンセリフ体とする
- 指定した以外の追加文字は入れないこと
【制約】イラストではなく実写風の高品質な写真にする
上記のSUMMER用プロンプトを使って生成した出力例が次の画像です。指定した「SUMMER」は1回だけ表示され、中央の商品、青空、海、レモンという構成も反映されています。この画像はユーザー提供の生成結果であり、モデル名と生成時間は記録されていません。

このようにラベルを付けて書くことで、条件を揃えた複数案を作りやすくなります。ただし生成後には、文字の綴りや可読性に問題がないか人が目視で確認する手順を業務プロセスへ組み込む必要があります。
一方、既存の画像を利用する複数ターンを想定した編集においても、指示の出し方が結果を大きく左右します。公式ガイドは、編集指示において変更対象と保持対象を明確に分け、一度に一つの変更へ絞るアプローチを推奨しています。また、商品を切り抜くような目的で透明背景を得るには、プロンプトでの指示だけでなく、APIの設定として画像形式をPNGまたはWebPにし、背景を透明にするパラメータを指定する必要があります。
生成したレモン飲料の画像を維持しつつ、背景を別のシチュエーションへ変える局所編集や、透明背景で商品を切り抜く際のテンプレート例は以下のようになります。
# 背景を夕暮れのビーチに変更する局所編集の指示
【変更対象】
- 背景の青空と海を、夕暮れのオレンジ色に染まるビーチへ変更する
- 光の当たり方を夕暮れ時の暖色系の光へ変更する
【保持対象】
- 中央にあるレモン飲料のガラス瓶の形状と位置を維持する
- 瓶の上部にある"SUMMER"の文字デザインと配置を維持する
【禁止事項】
- 新しい被写体や文字を追加しないこと
- 一度に他の変更を行わないこと
# 商品だけを残して透明背景にする編集の指示
【変更対象】
- 背景をすべて取り除き、完全な透明背景にする
【保持対象】
- レモン飲料のガラス瓶の輪郭と質感
- "SUMMER"の文字
【禁止事項】
- 影や光の反射を背景として残さないこと
変更対象と保持対象を分けて確認しやすくすることで、意図しない変化があれば次の指示を問題箇所に絞って修正できます。ただし、OpenAI自身も注意を促している通り、編集を繰り返すと保持対象が徐々に変わり得るという限界があります。ピクセル単位で不変にする必要がある領域は、プロンプトにすべてを委ねるのではなく、人が画像の差分を確認し、必要に応じて画像編集ソフトや合成処理へ切り替えて運用することが求められます。
公式デモと先進ユーザー事例から見る活用法と限界

単発の生成や編集だけでなく、実際の制作フローへGPT-Image-2.5を組み込むためには、複数の公開事例を確認して導入判断を固めることが大切です。公式デモや先進的な第三者の実装事例を通して、どのモデルをどのような経路で利用しているかを整理し、実運用に向けた基準を決めていきます。
公式デモから見る応用範囲
公式のプロンプトガイドには、コーヒーマシンの工程図、4コマ漫画、文字入り広告の生成から、人物の服だけを変える編集、レイアウトを保った翻訳、スケッチの実写化、複数画像の合成まで、実務に直結するデモが多数公開されています。これらはAPIを通じたプロンプトによる細やかな制御の可能性を示しており、どのような制作へ応用できるかを検討する際の基準となります。
既存画像へのキャラクター追加(Simon Willison)
第三者の実装事例として、Simon WillisonはSunburstを指定して既存グラフへアライグマの科学者を追加するCLIコマンドと出力を公開しました。短い変更指示と参照画像、モデルIDを一つのコマンドで組み合わせ、元の情報グラフを保ちながら新たな要素を加える手法を実証しています。
UIドラフト生成への展開(12ui)
UI生成サービス12uiの開発者は、GPT-Image-2、Flare、Sunburstを複数のUIプロンプトで比較し、Flareのmedium設定をドラフト生成へ展開したと報告しています。これはあくまで開発者本人の環境と評価によるものですが、アイデアの初期段階において、速度優先のFlareを用いて画面レイアウトのラフ案を素早く可視化する運用の参考になります。
商品画像の局所編集(Vercel)
Vercelは同社のAI Gatewayを通じた実装例として、Flareで香水瓶の商品写真を生成し、Sunburstを用いてボトルキャップだけを金色へ変えつつ他を保持する手順を公開しました。これはOpenAI直のAPIではなくVercel経由の例ですが、初期生成と局所編集でモデルを使い分ける実践的なアプローチを示しています。
実運用における確認項目と手作業への切り替え条件
こうした事例から複雑な制作への応用が可能であることがわかりますが、業務へ導入する際はAIの限界も踏まえた運用ルールが必要です。OpenAI自身も注意を促している通り、反復編集でも保持対象が変わり得るという課題があります。
例えば商品広告やUIデザインを制作する過程で、商品のパッケージ部分やロゴ、特定のアイコンといった完全一致が求められる箇所は、AIの編集機能だけで何度も修正しようとすると、かえって意図しない部分まで崩れてしまうリスクがあります。そのため、AIでの処理は全体の構図の作成や別バージョンの提案といった段階までに留めるのが効果的です。生成結果に対して人が差分を目視で確認し、ピクセル単位での不変性が必要な領域や、数回の指示で保持が失敗する場合は、早めに画像編集ソフトを利用して承認済みの編集結果を元画像へ合成する処理へ切り替えるといった停止条件を決めておくことで、制作フローを滞らせずに運用できます。
よくある質問
Q1. FlareとSunburstで料金に違いはありますか?
両モデルのトークン単価は同じですが、同じ設定でも消費トークン数が同じになるとは限りません。受理された画像1枚当たりの実際の費用は、レスポンスに含まれる使用量データで確認する必要があります。
モデルを選ぶ際は、既存のGPT-Image-2が品質要件を満たすなら速度優先のFlareから試し、複雑な用途で不足する場合は品質優先のSunburstから試す手順が推奨されています。品質が合格した後に、同じ入力で待ち時間を比較してください。
Q2. ChatGPTの画面からFlareとSunburstを指定して使うことはできますか?
はい。ChatGPT Images 2.5はChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全ティアにおいて、デスクトップ、モバイル、Webで利用できます。ChatGPTでは会話または「画像」メニューから生成でき、既存画像の編集にも対応しています。
ただし、FlareとSunburstはAPI上のモデル名です。OpenAIの公開資料には、ChatGPTの画面上で利用者が両モデルを名前で選ぶ手順は記載されていません。両者を明示的に指定して比較する場合はAPIを利用します。
Q3. APIを利用する場合、どのようにエンドポイントを使い分ければよいですか?
公式ガイドにおいて、単発の生成や編集にはImage API、会話を引き継ぐ複数ターン編集にはResponses APIを使用するよう指定されています。
あらかじめ決まったプロンプトで広告バナー素材を一括生成するような操作にはImage APIを使います。一方、生成された画像を見ながら追加の指示を出して微調整を繰り返すような制作ツールを自社で構築する場合は、会話内で上位モデルが呼び出せるResponses APIを選ぶのが適しています。
Q4. 背景を透明にして商品画像を切り抜いて出力することはできますか?
はい、可能です。プロンプトでの指示だけでなく、APIの設定で画像形式をPNGまたはWebPに指定し、背景を透明にするパラメータを設定する必要があります。
ただし、出力された画像が意図通りに背景を透過しているとは限りません。生成後は商品の輪郭や半透明の影といったアルファチャンネルが正しく処理されているかを実際のファイルで目視確認してください。
Q5. 編集時に元の画像の構図を強く維持するためのinput_fidelityは両方のモデルで使えますか?
今回の一回の実測において、Flareはinput_fidelityのhigh指定を拒否する挙動が確認されました。
そのため、今回の比較本番では両モデルとも同指定を外して実行しています。元画像の保持を優先する場合はSunburstを候補にし、変更対象と保持対象を分け、一度に一つの目的へ絞る指示を使い、意図しない箇所が変わっていないか人が確認してください。
Q6. 商用前の確認として、モデルの選び方や出力結果で気をつけるべきことはありますか?
基本として、既存のGPT-Image-2で十分なら速度優先の小型モデルであるFlareから試し、精密な編集や品質を重視する用途では基本モデルであるSunburstを試す運用となります。
ただし、OpenAI自身も注意を促している通り、反復編集を行うと保持対象が徐々に変わり得るという限界があります。商品パッケージのロゴやUIの特定アイコンなど、ピクセル単位での完全一致が必要な箇所はAIの編集にすべてを任せず、人が差分を確認して画像編集ソフトによる合成処理へ切り替えるといった運用ルールを設けることが重要です。
調査手法について
こちらの記事はグラフAIリサーチプラットフォームのSnorbeを使って作られています。Snorbeは研究開発・新規事業向けの調査テーマに応じた幅広い項目のオートリサーチや、ナレッジグラフの構築、構造化レポートの生成ができるAIリサーチツールです。

Screenshot
調査したいテーマを入力するだけで、AIが深堀りすべき観点や広げるべき調査項目をレコメンドしながら、自動でリサーチを進めます。収集した情報はナレッジグラフとして蓄積され、未調査領域(ホワイトスペース)を可視化しながら調査の網羅性を高めていけます。
また、観点マトリクスを30秒・構造化レポートを10分で自動生成する機能があり、出典付きのレポートをMarkdown/PDF形式でエクスポートできます。調査の元データも保存されるため、ファクトチェックや社内共有も容易です。
ご利用をご希望の方は、こちらよりお申し込みください。
また、グラフAIを活用した社内ナレッジ管理や、研究開発・新規事業のリサーチ支援、セルフホスト導入のご相談も受け付けています。お困りの方はお気軽にご連絡ください。
市場調査やデスクリサーチの生成AIエージェントを作っています 仲間探し中 / Founder of AI Desk Research Agent @deskrex , https://deskrex.ai


コメント