新しい市場を調べるとき、CB InsightsのMarket Mapから企業候補とカテゴリを確認できます。このマップは、CB Insightsが企画ごとの条件で選んだ企業をカテゴリ別に配置した資料です。
しかし、Market Mapは市場にあるすべての企業を網羅した完全な名簿ではありません。調査のテーマごとに企業の選定条件や除外のルールが異なるため、そこに示されたカテゴリの分類を絶対的な答えとしてそのまま使うことには注意が必要です。
それでは、CB InsightsのデータをAI市場調査に用いるとき、このカテゴリを答えとしてではなく、自分たちで検証できる「仮説」としてどのように扱えばよいのでしょうか。この記事では、AIを使って分類の候補を作り、人が事実を確認しながら調査を進める具体的な手順を解説します。
CB Insightsとは|企業と市場を関係づけて探すサービス

CB Insightsは、市場マップだけを読むメディアではなく、企業や市場のデータを検索して比較するサービスです。
2026年8月21日に確認した公式ページは、1,200万超の企業プロフィールと1,600超のテクノロジー市場を扱うと公表しています。資金調達、評価額、顧客や提携先との関係、特許も検索対象に挙げています。件数はCB Insightsの公表値であり、市場全体の収録率を示す独立監査値ではありません。
同じ公式ページは、APIやMicrosoft 365 Copilotをデータの利用経路として挙げています。企業の追跡には、Watchlists and Alertsという別機能を案内しています。利用できる機能と連携先は契約で確認します。
公式サイトのCB Insights Researchでは、市場動向や企業候補を調べられます。個別比較や保存済み検索へのリンクは顧客向け画面へ移ります。今回の調査ではログイン後画面を確認していないため、公開記事だけで契約画面の全機能は判断しません。
公開されている記事の中で、市場の企業群を把握するためによく使われるのが市場マップ(Market Map)です。このマップは、どのような条件で企業を整理しているのでしょうか。
Market Mapは選定条件と除外条件を含む

Market Mapは、調査対象となる企業をあらかじめ決めた条件で選び出し、比較しやすいようにカテゴリへ分けて配置したものです。ここで重要なのは、カテゴリの名前だけではありません。そのマップがどのような企業を対象にし、何を省いたかを確認することです。
AI agent market mapは、1,700超の候補から400超の民間企業を選び、16カテゴリに整理しています。条件は、エージェント製品を持つ民間企業で、Mosaic Scoreが600以上であることです。
AIエージェントの基盤を作る企業は、このマップの対象外です。400超という数は選定後の掲載規模であり、市場の全企業数ではありません。
physical AI models market mapは、70超の企業を10カテゴリに整理しています。原則としてMosaic Scoreが500超の民間企業と主要上場企業が対象です。
企業数が5社以下の市場では全社を含め、1社の複数カテゴリ掲載も認めています。同ページは、マップが市場を網羅していないとも明記しています。
このように、同じMarket Mapのシリーズでも、点数の基準や上場企業の扱い、複数カテゴリへの重複ルールはテーマごとに変わります。そのため、「マップに載っていないから対象外だ」「ひとつのカテゴリに入っているから他の使い道はない」と決めつけることはできません。
マップの掲載範囲を正しく読むには、まずどのような条件で企業が選ばれたのかを把握することが先決です。それでは、選定の基準として登場したMosaic Scoreと各カテゴリは、それぞれどのように解釈すればよいのでしょうか。
Mosaic Scoreとカテゴリを別の判断軸として読む

前のセクションで選定の基準として登場したMosaic Scoreは、民間企業の健全性と成長の可能性を1,000点満点で表すCB Insightsの指標です。公式のMosaic Scoreの説明では、企業の業績、財務の安定性、市場環境、経営陣の強さを評価の要素として挙げています。
前節で扱ったAI agent mapとphysical AI models market mapでは、Mosaic Scoreが候補企業の選定条件に使われています。しかし、点数が高い企業が自社の目的に合うとは限りません。スコアは、システム導入や提携の要件への適合度を示す指標ではないためです。
カテゴリも同様に、企業の本質を一つに固定する属性ではありません。調査の目的に合わせて企業を配置するための整理軸であり、マップのテーマによってはひとつの企業が複数のカテゴリに入ることもあります。したがって、スコアによる企業の評価と、カテゴリによる分類は、それぞれ別の判断軸として区別して読む必要があります。
CB Insightsは、企業を一つの基準だけで選んでいるわけではありません。AI 100 2026では、4万超の候補から100社を選んだと説明しています。
選定にはMosaic Scoreのほか、取引活動と業界提携を使っています。投資家、採用、独自インタビューなども選定材料です。これはCB Insightsが公表する選定方法です。
つまり、マップ上のカテゴリや企業の配置は絶対的な答えではなく、独自の選定条件を通して作られた結果です。実際の調査にデータを使うときは、このカテゴリを検証できる仮説として扱うことが重要になります。それでは、このカテゴリ仮説をAIを使って検証するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。
CB Insightsのカテゴリ仮説をAIで検証する

AIを使う目的は、企業を既存のカテゴリへ自動的に振り分けることではありません。CB Insightsが用意したカテゴリと、各企業が公式サイトで発表している内容を照らし合わせ、分類の根拠を確かめることです。単にデータを条件で絞り込んだり並べ替えたりするだけなら、表計算ソフトでもできます。
最初に対象のMarket Mapを開き、公開日、採用条件、除外対象を確認します。次に、比較する企業のデータを用意します。
APIとData FeedやA2A・MCPを利用できる契約では、権限と利用条件を確認して接続します。接続を使わない場合は、契約で出力とAI入力が許可された情報だけを整理して渡します。ログイン中というだけで、チャットAIが契約画面を参照できるとはみなしません。
情報を渡したAIには、次のように依頼して分類の下書きを作らせます。
対象市場を顧客の仕事、提供機能、導入先、収益モデルの4軸で仮分類してください。各社を一つに固定せず、複数カテゴリの可能性を残してください。CB Insightsの既存Market Mapのカテゴリ名、各社プロフィール、各社公式サイトを根拠列に付け、根拠がない分類は未確認と表示してください。最後に、既存カテゴリでは説明できない企業だけを別表にしてください。
AIが作成する成果物は、完成された企業の名簿ではありません。既存のカテゴリと新しい分類の候補、判断の根拠となる情報、そしてまだ確認できていない項目を整理した検証用の表です。この下書きを受け取った後は、人が元の情報をたどって最終的な分類を確定させていく作業に移ります。
分類結果には根拠と未確認を残す

AIの下書きを受け取ったら、人が元資料を確認します。検証表には企業名、CB Insights上のカテゴリ、主分類と副分類の候補を残します。
根拠URLと根拠文、未確認項目も別列にします。CB Insightsと企業公式サイトの説明が違う場合は、どちらかを上書きしません。二つの説明と確認日を並べます。
市場マップに企業が載っていなくても、その市場に関係しないとは判断できません。未掲載には、スコア、会社種別、対象範囲、公開時点など複数の理由があり得ます。どの理由かを原資料で確認できない場合は、未確認とします。
掲載されていない理由や分類根拠を元資料から読み取れない場合は、AIに推測させません。事実が分からない部分は空欄にせず、「未確認」と理由を記録します。公開資料を調べても分からなかった場合は、「公開資料では確認不能」と分けます。
CB Insightsでは、多数の企業を同じ軸で見渡せます。企業公式サイトでは、その企業が現在公表している製品、顧客、機能、提供地域を確認します。重要な取引や導入実態は、相手方の発表などとも照合します。
二つの情報を同じ列へ上書きせず、差異を残します。カテゴリを検証可能な仮説として扱うための記録になります。
よくある質問
Q1. 公開Researchと契約者向け画面は、どう区別しますか?
比較表に情報の取得元を残します。公開記事から得た項目には記事URLと公開日を付け、顧客向け画面から得た項目にはプロフィールURLと取得日を付けます。
Q2. Market MapのMethodologyでは何を確認しますか?
公開日、採用条件、除外対象、複数カテゴリ掲載の可否を確認します。掲載企業数だけを市場全体の企業数として使いません。
Q3. Mosaic Scoreは比較表へどう記録しますか?
スコア、取得日、そのMarket Mapで使われた閾値を別列にします。スコアを自社要件への適合度へ置き換えません。
Q4. 複数カテゴリの候補はどう残しますか?
主分類候補と副分類候補を分け、それぞれに根拠URLと根拠文を付けます。根拠が不足する候補は削除せず、未確認とします。
Q5. APIやMCPを使えない場合、AIへ何を渡しますか?
まず、個別契約で許可された出力範囲とAI入力の可否を確認します。許可された場合だけ、企業名、カテゴリ、取得日、元レコードURLなど必要な列に限定して渡します。
Q6. AIの分類表は、どこまで確認すれば完了ですか?
各分類候補の根拠URLを人が開き、対象企業、公開日、根拠文が一致するかを確認します。不一致と未確認項目が残る場合は、確定扱いにしません。
調査手法について
こちらの記事はグラフAIリサーチプラットフォームのSnorbeを使って作られています。Snorbeは研究開発・新規事業向けの調査テーマに応じた幅広い項目のオートリサーチや、ナレッジグラフの構築、構造化レポートの生成ができるAIリサーチツールです。

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調査したいテーマを入力するだけで、AIが深堀りすべき観点や広げるべき調査項目をレコメンドしながら、自動でリサーチを進めます。収集した情報はナレッジグラフとして蓄積され、未調査領域(ホワイトスペース)を可視化しながら調査の網羅性を高めていけます。
また、観点マトリクスを30秒・構造化レポートを10分で自動生成する機能があり、出典付きのレポートをMarkdown/PDF形式でエクスポートできます。調査の元データも保存されるため、ファクトチェックや社内共有も容易です。
ご利用をご希望の方は、こちらよりお申し込みください。
また、グラフAIを活用した社内ナレッジ管理や、研究開発・新規事業のリサーチ支援、セルフホスト導入のご相談も受け付けています。お困りの方はお気軽にご連絡ください。
市場調査やデスクリサーチの生成AIエージェントを作っています 仲間探し中 / Founder of AI Desk Research Agent @deskrex , https://deskrex.ai


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