新しいPCを買ってからClaude CodeやCodexを試すべきか。それとも、手元にある8GB級の古いMacで始められるのか。端末の価格を見ていると、AIを動かすには高性能なCPUやGPUが必要だと思いやすいところです。
ところが、通常のClaude CodeやCodexでは、AIモデルの推論と端末上の作業が別の場所で進みます。端末が担うのは、ファイルの読み書き、検索、コマンド実行、テストなどです。必要なPCスペックは「AIだから高性能」という一言では決まりません。どの機能を使い、端末上で何を同時に動かすかを分けて考える必要があります。
まず古いMacで小さな作業を試し、メモリ、スワップ、空き容量、待ち時間を記録します。その記録から、新しいPCで補うべき資源を決めます。特定の機種を先に選ぶのではなく、自分の作業に足りない条件から候補を絞る方法です。
Claude CodeとCodexを古いMacで先に試せる理由

Claude CodeもCodexも、通常は端末内で大規模なAIモデルを推論させるソフトではありません。端末側のアプリが入力やファイルを扱い、クラウド側のモデルと通信します。この分担なら、高性能GPUがない古いMacでも、対応OSと空き容量を満たせば試せる可能性があります。
ただし、クラウドが担当するのはAIモデルの推論です。Agentが起動するビルドやテストは端末側で動きます。開発サーバー、画像処理、DockerもローカルのCPU、メモリ、ストレージを使います。チャットが返る速さだけを見ても、実際の作業が快適かどうかは判断できません。
Claude Codeの概要では、Webの処理がクラウドで継続する一方、デスクトップの予定タスクは利用者の端末上で動くと区別されています。
Codexも、Codex CLIはローカルのプロジェクトで作業するのに対し、Codex cloudは隔離されたクラウド環境で処理する仕組みです。同じ製品名でも、CLI、デスクトップ、Web、クラウドでは端末の役割が変わります。各要素の役割はモデル・AIエージェント・Skill・ツール・プロジェクトの違いでも整理しています。
業務データを入れる前に練習環境を分ける

古い端末を試用機にすると、普段使うPCから業務データを離しやすくなります。しかし、専用機にしただけで安全になるわけではありません。同じ業務アカウントへログインし、ホームフォルダ全体を許可すれば、Agentが触れられる範囲は広いままです。
試用の入口は小さくします。専用の利用者アカウントと練習用フォルダを作り、公開情報から作ったMarkdown、CSV、簡単なREADMEだけを置きます。顧客資料、SSH鍵、本番環境の設定、会社の認証情報は入れません。ネット接続、MCP、プラグイン、シェルコマンドも練習タスクに必要な範囲へ絞ります。
Codexの承認とセキュリティは、クラウド環境がホストPCや無関係なデータへアクセスしない隔離コンテナで動くと説明しています。一方、ローカルCLIへ渡すフォルダや権限は利用者が決めます。専用端末はデータの混在を減らす手段であり、アカウント、フォルダ、外部接続の制限を置き換える手段ではありません。
CLI、デスクトップ、Webの対応条件を分けて確認する

古いMacでブラウザが開けても、現行CLIやデスクトップアプリが動くとは限りません。提供面ごとにOSとCPUの条件が違うためです。最初にAppleメニューの「このMacについて」で、macOS、IntelまたはApple Silicon、メモリ容量を確認します。ストレージ設定では空き容量も確認します。
AnthropicのClaude Code動作要件は、macOS 13.0以降、RAM 4GB以上、x64またはARM64、インターネット接続を挙げています。この4GBは起動条件であり、併用アプリを含む快適性の保証ではありません。
Intel MacもCPUアーキテクチャだけなら配布対象です。ただし、macOS 13へ更新できなければ現行要件から外れます。AppleのmacOS Ventura対応機種一覧と実機のモデルを照合してください。
OpenAIのCodex公式リポジトリは、macOSのApple Siliconとx86_64向けCLIを案内しています。ただし、今回確認した公式資料にはCodex CLIの最低RAMがありません。Claude Codeの4GBという数値をCodexへ流用せず、実機で負荷を測る必要があります。
Codexをデスクトップ画面から使う場合は別条件です。ChatGPT macOSアプリの要件はmacOS 14とApple SiliconまたはIntelを示しています。CLIが動くこと、デスクトップアプリが動くこと、Webから使えることを一括して「対応」と判定しないのが安全です。
古いMacを1〜2日試してPCスペックの不足を測る

対応条件を満たしたら、新しいPCを選ぶ前に小さな作業を1〜2日試します。練習用フォルダへ会議メモ3件、CSV 1件、READMEを置きます。Agentには「決定事項と未決事項を分け、元文にない情報を足さず、変更差分と検証結果を返す」と依頼します。
開始前と実行中には、アクティビティモニタでメモリプレッシャー、スワップ使用量、CPU使用率を記録します。ストレージの空き容量と、依頼から検証終了までの時間も残します。最初はAgentを1つだけ動かし、次に普段使うブラウザとOfficeを開いて、待ち時間がどう変わるかを比べます。
8GB機は、小さなMarkdownやCSVを1セッションで扱う入口になります。ただし、OSと複数アプリが同じメモリを使うため、スワップへ移りやすい構成です。処理が完了しても、アプリの切り替えや検索の待ち時間が作業を止めるなら、対応しているだけで実用的とはいえません。
測定中に遅くなったら、Docker、不要なブラウザタブ、複数Agentを外して再試行します。待ち時間が減れば、端末全体ではなく同時実行数が原因だと分かります。小さな作業でも非対応OS、空き容量不足、頻繁な停止が残るなら、その不足を買い替え条件にします。
8GB、16GB、24GB、32GBを作業量で選ぶ

前の測定でスワップが増えた条件を、次のPCで避ける必要があります。そのため、メモリ容量は製品名ではなく、同時に動かす作業から選びます。8GBは非機密の小さなフォルダとAgent 1つを試す入口です。16GBはブラウザ、Office、エディタ、軽いテストを併用する候補になります。どちらも、製品会社が快適性を保証した推奨値ではありません。
24GBは、複数資料、やや大きなリポジトリ、画像、複数の開発ツールを同時に扱う場合の候補です。32GBは、複数Agent、Docker、仮想マシン、大規模ビルドを日常的に使う場合に検討します。購入時には、古いMacでどの組み合わせがスワップを増やしたかを対応させます。
実測例も保証値としては読めません。特定版のClaude Codeが1インスタンスで2.5〜8GBを使ったというメモリ増加の不具合報告があります。また、16GB機で4セッションを並列実行するとスワップが頻発したというサーバーワークスの検証もあります。どちらも、8GBや16GBが常に不足する証拠ではなく、版と並列数で負荷が変わる根拠です。
保存容量もAgent本体のサイズだけでは決まりません。Git履歴と依存関係に加え、キャッシュやログも増えます。画像やDockerイメージを保存する作業でも容量を使います。256GBでも練習は始められますが、OS更新とスワップに使える空き容量を残せない場合があります。複数案件やDocker、画像・動画を扱うなら、実際の保存量から512GB以上を候補にします。
AIエージェントの負荷を購入条件へ変える

容量ごとの目安は、古いMacでの試用結果から選びます。試用結果は、買い替えを急ぐための速度表ではありません。新しいPCに何を求めるかを決める仕様書です。入力としてOS、メモリ、空き容量、併用アプリを残します。小さな読取・編集・検証タスクを動かします。差分と検証結果に加え、所要時間、メモリプレッシャー、スワップを記録します。
測定記録をMarkdownへ追記したら、そのファイルをClaude CodeまたはCodex CLIで開いた作業フォルダへ置きます。入力欄には「各回の併用アプリ、スワップ増加量、所要時間を照合し、遅延原因の仮説と次に1つだけ変えて測る条件を示してください」と入力します。
Agentは「Office併用時だけスワップが増えた」「Dockerを閉じてもテスト時間が長い」といった条件差を読み、原因仮説と追加測定の順序を返します。人は元の測定値、実行されたコマンド、変更差分を確認し、待ち時間が業務を妨げるかを判断します。自動処理を検査で止める設計はAIエージェントの必須検査をフックで止める方法で確認できます。
AIだけでは、未測定の機種で同じ結果になるか、将来の版でメモリ使用量が変わるかは判断できません。OSが非対応なら、対応OSを使える機種を選びます。メモリプレッシャーが高ければ16GB以上、Dockerや複数Agentで不足するなら24GBまたは32GBを候補にします。
購入条件へ移すのは、観測した不足だけです。長時間の並列処理だけが不足する場合は、PCを上げる前にCodex cloudの実行環境へ処理を渡す選択肢も比較できます。
ローカルAIモデルは同じ基準で選ばない

OllamaやLM Studioでモデル重みを端末へ保存し、端末内で推論する場合は、同じ購入基準を使えません。通常のClaude CodeやCodexではクラウドが担っていた推論を、ローカルPCが引き受けるためです。
ローカル推論では、モデルのパラメータ数、量子化方式、コンテキスト長、KVキャッシュがメモリを使います。OllamaのGPU対応資料と、利用するモデルの必要容量を別に確認してください。機密性やオフライン利用のためにローカル推論が必要なら、モデル、量子化、必要速度を先に決め、別のベンチマークを行います。
古いMacで通常のClaude CodeやCodexを試せても、同じ端末でローカルAIモデルを実用速度で動かせるとは判断できません。クラウド型AIエージェントの試用では端末側の作業負荷を測ります。ローカルAI用PCでは、端末側の推論負荷を別に測ります。
Claude Code・CodexのPCスペックに関するよくある質問
Q1. 8GBの古いMacでもClaude Codeを使えますか?
macOS 13以降などの公式要件を満たせば、小さな非機密フォルダで1セッションを試せます。ブラウザやOfficeとの併用時は、メモリプレッシャーとスワップを測ってください。
Q2. Codexを使うにはApple Siliconが必要ですか?
Codex CLIはmacOSのx86_64とApple Silicon向けに案内されています。デスクトップアプリはOS条件が別なので、使う画面ごとに確認します。
Q3. Claude CodeやCodexに高性能GPUは必要ですか?
クラウドモデルを通常利用するだけなら、GPUを最初の購入理由にする必要はありません。端末上で画像処理やローカルAIモデルも動かす場合は別です。
Q4. 16GBと24GBはどう選びますか?
古い端末で普段のブラウザ、Office、エディタ、テストを同時に動かし、スワップと待ち時間を測ります。複数ツールの同時利用で不足した場合に24GBを候補にします。
Q5. 専用PCにすれば業務データを安全に扱えますか?
専用PCはデータの混在を減らしますが、権限制限の代わりにはなりません。利用者アカウント、許可フォルダ、秘密情報、外部接続を別に制限します。
調査手法について
こちらの記事はグラフAIリサーチプラットフォームのSnorbeを使って作られています。Snorbeは研究開発・新規事業向けの調査テーマに応じた幅広い項目のオートリサーチや、ナレッジグラフの構築、構造化レポートの生成ができるAIリサーチツールです。

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