Sakana AIとは?日本発AIユニコーン

Sakana AIの研究、製品、資金調達と利用前の確認項目を示すアイキャッチ画像 ソフトウエア
Sakana AIの研究、製品、資金調達と利用前の確認項目を示すアイキャッチ画像

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Sakana AIは、東京を拠点とするAIの研究開発会社です。新しいAIの「研究」、企業や公共分野向けの「Applied」、利用者向けの「Product」を並行して展開しています。

同社の名前を見たときは、研究成果、企業向けの取り組み、利用者向け製品のどれを指すのかを先に見分けます。

同社は短期間で資金を調達し、未上場で評価額10億ドルを超えるユニコーン企業として注目を集めました。ただし、評価額や調達額はAIの回答品質を証明する数字ではありません。Series Bの数字にも資料の時点による違いがあるため、後段で分けて確認します。

この記事では、会社の基礎情報、資金調達、研究自動化システムのThe AI Scientistを順に解説します。さらに、Sakana Chat、Sakana Namazu、Sakana Fuguを用途別に整理します。

読者が自身の業務にAIを組み込む際、会社の発表した実績と、自分の環境での検証をどのように切り分ければよいのでしょうか。まずは、Sakana AIという会社全体と、活動の軸となる研究や製品がどのような位置づけになっているのかを見ていきます。

Sakana AIとは?会社・研究・Applied・Productの位置づけ

Sakana AIの研究、Applied、Productを分けて読む流れ

Sakana AIは、東京を拠点とするAIの研究開発会社です。公式のCorporate Informationによると、2023年7月に設立され、David Ha、Ren Ito、Llion Jonesの3名が創業しました。

同社は、単一のチャットサービスだけを提供する組織ではありません。新しいAIモデルを研究する企業として自らを位置づけています。

社名のSakanaは、日本語の「さかな」に由来します。Seed Roundの公式発表とNEAの投資説明は、魚の群れをAIの進化や集合知の研究方針に結び付けています。

複数のモデルや手法を組み合わせる開発経路を探ることが同社の着想です。ただし、自然から着想を得たという説明だけでは、性能は確認できません。

利用者が外部から確認できる研究・事業・製品を理解するため、本記事では「Research」「Applied(企業・公共向け)」「Product(利用者向け)」の3領域に絞ります。公式の組織分類には、会社運営を支える「Corporate」もあります。

研究部門の例として、研究を自動化するThe AI Scientistや、コードを進化させる仕組みなどがCorporate Informationに挙げられています。また、Applied部門では、金融や防衛といった専門分野に向けた提案が行われています。

公式会社情報は、Product部門の例としてSakana Chat、Sakana Marlin、Sakana Fuguを挙げています。Marlinの現行の提供範囲や利用条件は、今回の公開資料だけでは確認できません。

会社の活動範囲を整理したところで、次に資金調達額と評価額を時点別に確認します。

Sakana AIの資金調達とユニコーン化、Series Bの時点差

Sakana AIの資金調達と製品性能を分けて確認する図

資金調達額は会社が得た資金を、評価額は投資ラウンド時点で投資家が置いた企業価値を示します。どちらも、AIモデルの回答品質や導入効果を示す数字ではありません。Sakana AIの資金調達は、各資料の発表時点を付けて読みます。

同社は2024年1月のシードラウンドで3,000万ドルの資金調達を発表しました。同年9月のSeries Aでは、約2億ドルを調達したと説明しています

Series Aの時期には、評価額が10億ドルを超える「ユニコーン」になったと紹介されています

Series Bは、報道と公式発表で数字が異なります。2025年11月の報道では、調達額が約1億3,500万ドル(200億円)、調達後の評価額が26億5,000万ドルと伝えられました

2026年4月に更新された公式ページは、Series Bの調達額を2億ドル(約320億円)、調達後の評価額を約27億ドル(約4,320億円)と記載しています

公開資料だけでは、二つの数字が異なる理由を確定できません。追加調達や契約時点の違いを推測して一つの数字へまとめず、2025年11月の報道値と2026年4月の公式更新値として分けて扱います。

ニュースを読むときは、ユニコーンという企業価値の分類や調達額の大きさを、製品性能の証明として使わないようにします。会社の評価額と実際のAIの能力を別々に確認したうえで、次は同社が手がける具体的な研究自動化の仕組みを見ていきます。

The AI Scientistとは?研究工程と限界

The AI Scientistの研究工程と人間の確認

研究者が文献を探し、仮説を考え、コードを書き、実験し、結果をまとめるまでには多くの工程があります。これらの作業を一つのパイプラインで自動的につなぐシステムがThe AI Scientistです。これは質問に答えるだけのチャットボットではなく、研究プロジェクトを順に進める仕組みとして作られています。

このシステムは、Sakana AIとUBC、Vector Institute、Oxfordとの共同研究によるものです。実際の動作を試せるように、初期版v2のコードが公開されています。

Nature誌に掲載された論文は、アイデア生成から原稿作成、査読までの工程をつなぐ仕組みを説明しています。さらに、AI Scientist-v2が作った原稿のうち1本が、機械学習ワークショップの査読で第1段階を通過したことも報告されています

これらの成果を読むときは、AIが単独でNature誌に論文を投稿して認められたわけではない点に注意が必要です。査読の通過も機械学習ワークショップの範囲であり、科学全体で人間の研究者を代替できると証明したわけではありません。

公式の説明とNature論文は、現状を計算実験に限定し、図の重複や誤った実装などの失敗を記載しています。

初期版の独立評価でも、コードのエラーや結果の誤りが報告されました。コードが自己実行を繰り返す場合に備え、The AI Scientistはサンドボックスで実行します。

The AI Scientistは、研究者を代替する仕組みとしては確認されていません。現段階では、計算機上の研究工程をつなぎ、原稿候補を作るシステムです。人間の研究者は、実行するコード、実験結果、再現性、公開の可否を確認します。

ここまでの研究システムとは別に、利用者が直接試せる製品もあります。次に、Sakana Chat、Namazu、Fuguの違いを見ていきます。

Sakana Chat・Namazu・Fuguの違いと使い分け

Sakana Fuguの複数LLMの呼び分けと検証

研究用の自動化システムとは別に、利用者が直接試せる製品として「Sakana Chat」「Sakana Namazu」「Sakana Fugu」が用意されています。これらは会社が提供する具体的なサービスの名前です。それぞれ仕組みや目的が異なるため、何を試したいかによって使い分けます。

ブラウザから手軽にAIの動作を確かめたい場合は「Sakana Chat」を利用します。公式の発表では、自社モデルをAPIなしで体験できる入口として説明されています。会話だけでなく、ファイルの添付やコードの実行などを一つの画面で試すことができます。

日本語や日本の業務文脈を扱うAPIを試す場合は、Sakana Namazuが候補になります。Namazuは、Kimi K2.6を基盤に、Sakana AIが日本語と日本の業務向けに調整して提供する単一モデルです。Web検索とコード実行を組み合わせ、OpenAI互換APIから利用できると説明されています。

複数のAIモデルを連携させて複雑な作業をこなしたい場合は「Sakana Fugu」を検討します。公式発表によると、これは複数のモデルを動的に協調させるシステムです。利用者は一つの窓口(API)に指示を出すだけですが、内部では作業が細かく分解され、適したモデルに分担された後に結果が一つにまとめられます。

製品を仕事に組み込む前に、会社が示す性能を自社環境でも確認します。自社業務に近い入力と期待する回答を用意し、誤りの内容、処理時間、再作業の量を記録します。

料金、入力データの保存・利用条件、利用できる地域は、契約する製品の現行条件で確認します。今回の公開資料だけでは、これらの条件を一律には確定できません。

利用者は、会話の入口であるChat、Sakana AIが調整・提供する単一モデルのNamazu、複数モデルを協調させるFuguを用途ごとに分けて判断します。次に、Sakana AIと日本企業・政府との協力が、導入判断で何を示すのかを確認します。

Sakana AIの使いどころ、政府支援・企業協業・確認項目

Sakana AIの研究、企業協業、公共支援、利用者確認

Sakana AIが社会でどのように使われようとしているかを知るには、政府による支援や企業との協業を確認します。同時に、これらの公的な実績や投資のニュースを、製品の性能や自社への導入効果と分けて考えることが大切です。

経済産業省は、生成AIの基盤モデル開発力を強化する施策としてGENIACを開始しました。Sakana AIのNEDO助成発表は、同社がスーパーコンピューティング助成の対象7機関の一つに選ばれたと説明しています。

NEDO事業ページには、自律型エージェント向け基盤モデルの開発が掲載されています。この支援は研究用の計算資源に関するもので、製品の回答精度や事業の収益性を証明するものではありません。

Series Aの公式発表は、日本企業や金融グループが戦略的投資家として参加したことを示しています。投資参加だけでは、製品の導入効果は確認できません。

MUFGとの協業では、3年間で銀行業務向けAIの開発・提供を進め、まず同行内の業務から始める計画です。これは協業計画であり、導入成果の確定報告ではありません。

実際に製品を導入するかどうかを決める際は、会社の実績とは別に、自社の業務に合うかを具体的に確認します。まずは、試そうとしているものが研究用のコードなのか、外部から機能を呼び出すAPIなのか、ブラウザで直接使うチャット画面なのかを特定します。

次に、入力データの送信先と保存方法を確認します。誤った結果を人が見つけて直せる手順も決めます。

研究自動化と市場調査では、安全性やデータ管理の条件が異なります。利用目的に合わせて確認項目を定めます。

会社発表の性能だけで決めず、自社データで動作と費用を確かめてから本格運用へ進みます。

よくある質問

Q1. 最初の試用では何を一つに絞りますか?

会話、社内文書の分析、複数段階の調査、研究コードの実行から、一つの仕事を選びます。会社名だけで選ばず、その仕事に対応するChat、Namazu、Fugu、The AI Scientistのどれを試すかを決めます。

Q2. 評価結果を比較するときの条件は何ですか?

指標名だけで比較せず、入力、期待する答え、判定方法をそろえます。条件が異なる会社ベンチマークと自社試験の数値は、直接比較しません。

Q3. 会社発表と第三者評価をどう分けますか?

発表主体、対象モデル、実行日、評価データ、比較条件を一組で記録します。Sakana AIの製品ページにある値は会社発表として残し、独立評価の結果に言い換えません。

Q4. 入力データについて何を確認しますか?

保存期間、学習への利用、処理する地域、外部サービスへの送信、削除方法を契約対象の現行条件で確認します。公開ページに記載がない項目は、営業窓口や契約書で確認します。

Q5. Fuguの試用で追加確認することはありますか?

内部で使うモデルと処理経路、外部モデルへのデータ送信、失敗時の再実行、回答の再現性を確認します。複数モデルを使う設計だけでは、費用や精度を確定できません。

Q6. The AI Scientistの結果をどう再確認しますか?

生成されたコードを人が読み、同じ条件で実験を再実行します。原稿の数値や図表が再実行結果と一致することを確認してから、研究成果の候補として扱います。

Q7. 試用結果を後から比較するには何を残しますか?

製品名、モデル版、実行日、入力、期待する答えを残します。出力、修正内容、処理時間も同じ記録に含めます。条件を固定すると、製品更新後や別のAIとの差を追えます。

調査手法について

こちらの記事はグラフAIリサーチプラットフォームのSnorbeを使って作られています。Snorbeは研究開発・新規事業向けの調査テーマに応じた幅広い項目のオートリサーチや、ナレッジグラフの構築、構造化レポートの生成ができるAIリサーチツールです。

Screenshot

調査したいテーマを入力するだけで、AIが深堀りすべき観点や広げるべき調査項目をレコメンドしながら、自動でリサーチを進めます。収集した情報はナレッジグラフとして蓄積され、未調査領域(ホワイトスペース)を可視化しながら調査の網羅性を高めていけます。

また、観点マトリクスを30秒・構造化レポートを10分で自動生成する機能があり、出典付きのレポートをMarkdown/PDF形式でエクスポートできます。調査の元データも保存されるため、ファクトチェックや社内共有も容易です。

ご利用をご希望の方は、こちらよりお申し込みください。

また、グラフAIを活用した社内ナレッジ管理や、研究開発・新規事業のリサーチ支援、セルフホスト導入のご相談も受け付けています。お困りの方はお気軽にご連絡ください。

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